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翌朝。
鞄はあるのに春がいない。
「春どこにいるか知らない??」
「さぁ。まだ来てないんじゃないの??」
「来てるよ!!だって鞄あるもん」
「トイレでもいってんじゃない」
心配しているわたしとは正反対、希は相変わらず暢気。
「え〜。トイレにしては長いって」
わたしは周りをキョロキョロしてみるけど春らしき人はいない。
キーンコーンカーンコーン
「みんな席つけー」
あー、先生来ちゃったよ。
春どこ行ったのかな…。
「あれ??佐々木は休みか??」
先生に言われて気付いたけど、佐々木くんもいない。
「すいません、俺います!!」
走って入ってきたのは、佐々木くん。
「何だ佐々木、遅刻かー」
先生が呆れたように笑う。
「はよっ、佐々木!!」
「おはよー」
やっぱ佐々木くんは人気者。
次々にみんなに挨拶されている佐々木くんを見ると、いいなって思う。
