素直に自分が"真白小雪"であることを認めると、男は目を細め、真っすぐに私の方へと手を伸ばした。


そして、私の髪を撫で始める。

「あ、あの……なんですか?」

私が聞いても撫でる手をやめることなく、ただ私を見つめるだけだった。




何分間そうしていたのだろう。
やっと手を離した男は私に微笑みかけた。

「ずっと君を探してた。真珠のような肌を持ち、雪のような心を持った少女をー……名前しか分からなくて、どうしようもなかったけれどー。そうか、君はずっとここにいたんだな」


男はそう告げると、微笑んだまま首を傾げる。
まるで私にー"憶えてない?"ーとでも問うように。