「我偉くーん!」 「こっち向いてー!」 「中尾君頑張ってぇ!」 放課後の体育館に黄色い歓声が響く中、 バスケ部のエース、中尾 我偉は脇で声援を送っている女子の中に目を向け、 彼女である、平木 杏那の姿を捜していた。 「あ!」 やっと見つけた彼女は、後ろの方に控えめに立っていた。