───キーンコーンカーンコーン



午前中……最後の授業の終わりをつげるチャイムが鳴った。



「じゃあ、今日はここまで…」


担当の先生が教科書などを持って教室を出て行くと、クラスは賑やかになった。



「梨子、行こう」


玲の声に席を立つとトイレに向かった。





───バタン


トイレの個室を出て、手を洗うとハンカチで濡れてしまった手を拭く。



「あのね梨子?」


トイレから出て教室までの道のりを歩いてると、ふいに玲が声を出した。



「玲?」


なにか言いたいのかな?



「私ね……」