ギュっと繋がれてる手を強く握り締められる。


桜井くんと歩いている内に家が見えてきた。





「あの桜井くん。」

「どうかしたか?」

「家……ここなの」



もう目の前に見えてきた家を見て桜井くんに言った。



「へー。ここが崎田さんの家か」


お家を見上げながら桜井くんはそう言うと、繋いでいた手をはなした。




「ぁの。ぇっと……送ってくれて、ぁ……ありがとう」

「ん。じゃあまたな」



最後に笑顔を見せてそう言って遠ざかっていく桜井くんの姿を少しの間だけ見ていた。