「楽しかったか?」
「うん!」
あたしは嬉しくって笑顔で答えるたら、桜井くんはあたしから顔を背けてその顔を手で覆った。
「?……桜井くん?」
「あ。なんでもないから」
それより……とあたしに顔を向けた桜井くん。
「さっきの手をはなしたがった理由……なにかあるんだろ?」
……う。
思い出したらまた恥ずかしくなってきて、制服のスカートを握り締めた。
あんなこと思う自分も恥ずかしいし、それを知られちゃうのも恥ずかしい。
「ゆっくりでいいから話せるんだったら話してほしい」
桜井くんが真剣な顔でそう言うから……
すごく恥ずかしいけど、思っていたことを言った。

