手…手をはなさなくちゃ!
手を繋いでいることが今まで以上に恥ずかしく思えてきて、すぐにでも桜井くんに手をはなしてもらいたくなってくる。
「崎田さんなんか変だぞ?」
「ふぇ!?」
あ…。
変な声でちゃった。
いまのあたしの声に桜井くんの口元が笑ってる。
桜井くんは繋いでいる手を見ると……
「まだ、慣れないのか?」
あたしの顔を見てそう言った。
「だ、だって……」
恋人同士に見られていたかもしれないって思うと、慣れるどころか恥ずかしさでいっぱいになる。
も、もうここは思いきって桜井くんに言うべきかな?
手をはなしてもらえるように。