でも……なんでだろう。
一緒にいるのが不思議とそこまで嫌っていうわけじゃない。
確かに男の子と一緒にいては緊張するけど、桜井くんが嫌いってわけじゃないから。
同級生だったから悪い人じゃないってことは
分かる。
いつの間にか桜井くんはあたしの隣に座っていて……
「昨日は途中で別れたけど今日は家まで送る」
そう言ってあたしの顔を見た。
「え?え?」
「ほら。行くから立って」
すでに立ち上がった桜井くんにそう言われて、鞄を持つと急いで立ち上がった。
すると
また桜井くんに手を握られてしまった。
あたしはその握られた手を見ていると……
「慣れないとな?」
そう言った桜井くんに手を引かれながらあたしたちはこの場を去った───。