なんで…。
なんでこんなに近くに顔があるの!?
それに手だって握ったままだよ!?
あまりに恥ずかしくて絶えきれなくなり、手をはなそうと試みてみたけど、思ったより桜井くんの力が強くてはなすことが出来なかった。
さ…桜井くん!?
手を引っ張てみても桜井くんが強く握ってるのかはなせない。
もう…。
「くくっ…」
ひとりで焦っているあたしをよそに、桜井くんは空いている手の方で口を覆いながら笑っていた。
ひ…ひどい!
男の子と……桜井くんと手を握っていたら周りの、通っている人に見られている気がして恥ずかしいよ。

