…え。 桜井くんの言ったその言葉にびっくりして顔を上げる。 だ、だって…い、イトコ? すると、桜井くんはいったん抱きしめている腕を離した。 あたしは桜井くんの顔をびっくりしたようにジッと見る。 「亜依は父さんの弟の子供なんだよ。だから名前で呼んでるんだけど、その…ごめんな?不安にさせて」 その言葉にまたあたしは首をフルフルって横に振った。 だって、桜井くんは悪くないよ…。 あたしが勝手に嫌だなって思ってただけだもん…。 まさか…あの女の子が桜井くんのイトコだったなんて……。