「ごめん…」 “嫌な思いさせて”…続けるように言った桜井くんの言葉にフルフルと首を降った。 「でも、崎田さん。俺が……」 そこまで言って言葉を止めた桜井くん。 まだ、桜井くんの腕の中にいて後ろから抱きしめられているあたしは、桜井くんの表情を見ることなんて出来ない…。 そして。 「…他の女の名前を呼ぶのか嫌だったってこと…だよな?」 耳元で囁くようにそう言われて、カァっと頬が熱くなった気がした。 いまの言葉に耳まで赤くなっているかもしれないよ…。