「桜井くん…」
辺りを見回した。
手を引かれてたどり着いた場所は……公園だった。
昨日…、桜井くんから、好き…って言われたあの公園。
そして、昨日座ったベンチにいまも座っていた。
当然となりには桜井くんも座っている。
ポンって頭に重みを感じたと思ったら、桜井くんの大きな手がのせられていた。
「崎田さんに泣かれると俺が辛い。だから、何かあるんだったら言って?」
優しく桜井くんは言ってくれてる。
でも…言っていいの?聞いていいの?
……あの女の子のこと。
それを考えると、じわって涙が零れてきそうになった。