どうしよう。




いま、あたしの隣には……桜井くんがいるのに…。




あれから午後の授業が終わって放課後になると駅に向かった。


だから…あたしの隣には桜井くんがいる。




なのに…。

あの女の子と桜井くんの姿が頭に浮かんできて…。





 “亜依”




あの子のことを呼んでいる桜井くんが浮かんでは消える。






 “亜依”




 “桜井さん”





そして、今度は……あの子とあたしを呼んでいる桜井くんが浮かんできた。





でも…。


当然だけど浮かんでくる桜井くんは、あたしのことを“崎田さん”…って呼んでるよ…。