そうだった。


あたし…桜井くんの為に作ったお菓子をあげたんだよね。




「じゃあ明日な」


ポンポンってあたしの頭を撫でながら笑顔で言った桜井くんにコクンって頷いた。


ジッと桜井くんを見る。



「ばいばい」



最後に桜井くんにそう言って、遠ざかっていくその姿を見ながら、さっきの女の子のことを考えていた。




そう…。
桜井くんが言っていた…。




 亜依 …って呼ばれたあの女の子のことを───‥‥。