「──…た、さん…。さ──…た、さん…。 崎田さん!」 「!!ふぇ…!?」 そんなことを思っていたからか桜井くんがあたしを呼ぶ声にも気づかないで、ふと聞こえてきた声にびっくりした。 それに、変な声も出てしまって少し恥ずかしい。 「さ、桜井くん…」 「崎田さん。ボォーっとしてたな」 「あ、うん…」 桜井くんがあの子のことを名前で呼ぶたびに胸がズキズキしてたんだもん。 そして…そのことを考えてまたズキズキ。 あの女の子に会ってからあたし…胸が痛んでる。 なんで…?