すると…あたしと桜井くんが繋いでいる手をびっくりしたように見た。
「えー!広樹もしかして彼女!?」
あたしを少しだけ見たあと桜井くんにそう聞いた。
さ…、桜井くん。なんて言うのかな?
ドキドキしながら桜井くんの言葉を待つ。
「亜依には関係ないことだって」
───ズキン
その言葉に胸がズキンってなった。
だって、彼女って言ってくれることはなくて…それに、さっきも思ったことだけど、名前で…女の子のことを名前で呼んでるから胸がズキズキってなる。
「えー!まぁ、いいけど。見てたら分かるから!」
親しそうに話す桜井くんを見るとなんだか悲しくなる。