公園の入口を出たときだった。





「広樹!」


広樹?
広樹……って桜井くんの名前。



その言葉に桜井くんとふたり振り返ると、そこには…桜井くんと同じ学校の女子の制服を着た女の子が立っていた。

そして小走りで近づいてくる女の子。




「亜依!?」



……え。


桜井くんは近づいてくるその子に驚いたように名前を呼んだ。




あたし…桜井くんが女の子の名前言ってるのはじめて聞いた。



びっくりして桜井くんを見るけど、そのあたしの視線に桜井くんは気づいていない。


だって…目の前にいる女の子に驚いているから。





「やっぱり広樹だ。公園から出てくる姿見て広樹だって思ったんだよね」


桜井くんの目の前に来たその女の子はニコッて微笑みながらそう言った。