「ああ。なんか崎田さんらしいな」
あたしらしいって?
桜井くんが言っていることの意味があまり分からない。
あたしが不思議そうな顔をしていたからなのか
「気にするな」
桜井くんはそう付け足した。
「ところで崎田さんは、いつもあの時間に駅を下りてくるのか?」
「うん。」
「ふーん……」
なにかを考えているのか、じっと黙った桜井くん。
その顔がかすかに笑ったような…そんな気がしたけれど……気のせいかな。
「えっと……どうかした…の?」
そんな桜井くんを不思議に思いながら聞いた。
「なんでもないから。気にするなよ?」
「う…うん」
コクンと頷くと、あたしたちは歩き続けた。

