「でも公園に行きたいなんてさ、またブランコにでも乗りたくなった?」 「ううん。違うの!」 微笑みながらそう言った桜井くんの言葉を否定する。 だって…。 今日この公園に寄ってもらったのは……作ったお菓子を渡すためだもん。 肩にかけている鞄を見ながら渡すときのことを思うとドキドキする。 「なんだ。違うのか。また俺が後ろから押してもよかったんだけどな。ここ、座るか」 桜井くんとふたりベンチに座って、膝の上に鞄を置いた。 「それで、どうかしたか?」