そうだよ。 あたしがはじめて桜井くんにドキドキしたあの公園で渡そう。 一生懸命作ったお菓子受け取ってもらわなくちゃ! 今…ちょうど公園に差し掛かっているところだから言わなくちゃ!! 「さ、桜井くん…」 そんな風に意気込んでみても自分が発する桜井くんを呼ぶ声は弱々しい。 でも、桜井くんはそんなあたしに耳を傾けてくれた。 「あの、あたし…ちょっと公園に寄ってもらいたいの。いいかな?」 「うん。俺は全然構わないよ。行こう」 グイッと手を引かれて公園の中に入って行く。