桜井くん。 抱きしめられるのは3回目だよ。 1回目はあの日……───。 ──ドキン ドキンって胸の鼓動がはやくなる。 「崎田さん…」 ───ビクッ あたしの名前を呼んだ桜井くんの声が耳元で聞こえてきた。 み、耳元で喋るのはダメだよ…。 桜井くんの吐息が耳にかかってきてドキドキする。 「あー…わるい。」 謝ってる? 桜井くんの声が聞こえてくると、次の瞬間にはあたしを抱きしめていた腕を離した。