「…ありがとう」


もう一度お礼を言ったあたしに優しい笑顔を向けてくれた。


けれど…次の桜井くんの行動にあたしは驚いてしまった。



だって。



あたしはいま桜井くんの腕の中で抱きしめられているから。



そう。

数時間前…あたしを助けてくれたあの時みたいに…。


いまあたしは桜井くんの腕の中にいた。