「あ…。わりぃ。急に手、掴んだりして…びっくりしただろ」

「えっと…その……」



なんて言っていいか分からなくてそんな変な言葉ばかり繰り返してしまう。

確かに…びっくりしちゃったのは事実だけど。



「いや…さ?あんな人が行き交うところで立ち止まってたら迷惑だろうと思ってさ……」



その桜井くんの言葉になんで手を掴まれたのか分かったような気がした。


確かにその通りだと思った。


「だから、ここ座れよ崎田さん」



その桜井くんの言葉に椅子に腰かけると、桜井くんもあたしの隣に座った。


…え!?


たったそれだけのこと。


ただ隣に座っただけ……それだけなのにドキドキしてしまうあたしは本当に男の子に慣れてないなって思う。



さっき手を掴まれた時もびっくりしたのと同時にドキドキしたりもしたから。





「崎田さんってどこの高校行ってるんだ?」



そんなことを頭の片隅で考えていると桜井くんに話を掛けられた。


「え…えっと……」


大丈夫。

緊張することなんてないんだから!

相手は桜井くんで中学の時のクラスメイト…知らない人じゃない。




「……女子校です」