携帯撲殺

由紀は走りが早い。



でも美由は走る。





いつもより2倍ほど速く走れた。




なんだろ・・・・・この感じ。


怒りと・・・悲しみが入り混じって。



足が軽くなっているようだ。




由紀との距離を1mほどにまで縮め、
美由は由紀の体にのしかかった。




「由紀ちゃん!・・・・
いや・・・・蔵野!
あなたは義文を殺した!」



由紀の顔はニッコリしていた。



「殺したけど・・・・なに?
私は生きたいだけ・・・・おかしい?」



「・・・・ええ!
おかしいわ!あなたは間違ってる!
彼氏を殺してまで・・・・生き残ろうとするなんて・・・・間違ってる!」



その言葉を聞いた由紀は
驚いた顔になった。



「なんで・・・・義文は彼氏だということを知ってるの?」




「久美ちゃんから聞いたのよ・・・・。」




「・・・・はっ、久美か・・・・。
約束も守れない話すクソだったなんて・・・・。」



・・・・は?



「今なんて言ったの・・・・?」



由紀の言葉に美由は怒りを込める。




「クソって言ったんだよ!
友達なんてな・・・・結局裏切るんだよ!」