携帯撲殺

二人きりで家へと歩く。



義文は明るい振る舞いで
会話をしてくれた。



義文の声は「携帯撲殺」の件を
一時的に忘れさせてくれる。



この時間が無限に続けばいいのに・・・。




だがそんな願いもむなしく
由紀の自宅にたどりつくのはあっという間だった。




「ありがとう義文、またね。」



「はいよ、さようなら!」



家の玄関を開く金属音は
幸せの時間は終わりを告げるベルのようだった。




「ただいま。」



「おかえり、由紀。
遅かったわね。」



「ちょっと先生に勉強教えてもらってて・・・。」



「あらそう、勉強がんばってるわね。」




嘘を述べつつも母と会話を交わし、
2階の自分の部屋へ足を運んだ。