携帯撲殺

「おい由紀ー?なにやってんだー?」


ほがらかな声が教室に響いた。



顔を上げると教室のドアの所に
津田義文(ツダ ヨシフミ)が手で合図している。




「義文・・・・。」



「由紀、朝から気分悪そうだったけど
大丈夫か?」



「大丈夫、心配しないで。」



耳にかかる茶色っぽい髪。



澄んだ二重の目。



そんな義文が私を心配して
戻ってきてくれたらしい。



義文は単刀直入にいうと「彼氏」だ。




由紀と義文がカップルだということは
誰も知らない。



由紀から告白し、付き合っている。




同じクラスだけど、
あまりにイチャついていると
不審に思われるから、放課後ぐらいしか
話せる時間がないのだ。




「今日は一緒に帰るか?」



「え・・・そうだね。」


いっしょに帰っているのを
他の連中に見られたらどうするの?、
と思ったが義文と二人きりのチャンスは逃したくない。






義文と由紀は肩を寄せ合い、
学校を後にした。