「えっと、嬉しいんだけど私もう帰らないと」

「そうなの?」

少し寂しげな表情を見せる女の子。少し罪悪感的なものを感じたが、さすがにもう子供は帰宅すべき時間だ。

「君も帰った方がいいよ親が心配するから」

「………」

あー…黙っちゃった。
まだあそぶの!とか言われちゃったら困るな…。

「わかった」

案外あっさり頷く女の子は、手を胸の前に組んでこう言ってきた。

「じゃあ、明日遊ぼ!」

しばらくは、勉強も得にする必要はないから、基本的に毎日暇なので、私はそのお誘いを受けることにした。

「いいよ、じゃあまた明日ね」

「うん!ばいばぁい!」

女の子は嬉しそうに神社の奥にある森へ走っていく。
あっ…そういえば…。

「待って!!」

「?」

女の子は私に振り返って
首を傾げた。

「あなたの名前は何て言うの?私は新井 蒼(アライ ソウ)って言うの!」

この子の名前を私は知らない。さっき出会ったばかりなので仕方がないのだが。明日会う時に名前が分かっていた方がわかりやすいだろう。

「私は、あみ だよ」

「あみちゃんね、じゃあまた明日!」