夕暮れの神社で

そこには、四、五歳の女の子が立っていた。可愛らしい、撫子(なでしこ)柄の薄ピンクの浴衣を着ていた。
そう、着物じゃなくて浴衣。

「こんにちは」

女の子が私に笑いかけてきた。

「こ…こんにちは」

私は、少し戸惑いながら女の子に返事を返した。

「…………」

とりあえず、何か言わないと気まずいので質問を投げかけてみた。

「ここの子なの?」

「うん、私はここの子だよ」

…そりゃそうだ。

「浴衣可愛いね」

「そうでしょ!お母さんが買ってくれたの!」

“可愛い”と言われたのが嬉しいのか女の子は、袖を持ってクルッとその場を一回転してみせた。

「おねえちゃん」

「なぁに?」

「一緒に遊ばない?」

「え…」

さっきの嬉しそうな表情で誘ってきた。
でも、もう夕陽は沈みかけていて、夜が近づいているのを知らせていた。