夕暮れの神社で

『えっ…』

私達は、声のする方を向いた。
そこには、あの男の子がいた。夕日のせいか、茶色い髪が赤く輝いていた。

「本当に連れていきたいのかって聞いてんだ、連れてけばお前は満足するのか?」

突如現れた男の子に、驚きと戸惑いで黙るしかなかった。
それでも彼は「質問に答えろ」とあみちゃんに問い掛けてきた。

「あみは……」

「なんだ」

「あみちゃん…?」

「あみはね、ここから離れたいの。でもね、淋しいの何処に行けばいいのか分からないの」

「それで、コイツを連れてけば淋しくないって話か?」

「…………」

あみちゃんは、困ったように俯いた。

「でもさ、そいつ連れてって、お前は幸せになれるのか?」

その質問に、あみちゃんはふるふると首を振った。

「ううん、多分なれないと思う」

「だろうな」

私には分からない会話が続いていく。分からないから黙るしかなかった。

「そいつ連れてったら間違いなく生まれ変われ
ねぇよ」

「!!」

はっとしたように
あみちゃんは男の子の方を見た。目には、いっぱいの涙を浮かべて。