次の日、私はお昼を食べていた。
今日はチャーハン。ゴマ油と醤油を効かしたチャーハンだ。それを完食すると、私はスニーカーを履いて外へ出た。
今日は、あみちゃんとの約束で神社で遊ぶのだ。

「この町に来て、始めての友達か…ははっ」

昨日は突然だったので面食らっていたが、この町に来て間もない私にとって、こうした交流はなかなかに嬉しいものだ。

「そういえば、集合時間決めてなかったけど、もう来てるのかな?」

まさか、ずっとあみちゃんを待たせてるのかも!

私は早足で神社へ向かった。

角を曲がる途中…。

ころん…。

目の前にグレープフルーツが転がってきた。拾い上げてみると、グレープフルーツの酸味が鼻にツンときた。

「拾ってくれてありがとう」

気がつくと、目の前に男の子が立っていた。
そう、昨日すれ違った男の子。

「あっどうぞ」

私は慌ててグレープフルーツを彼に渡した。

「君、この町に来たばかり?」

「えっ…あ、はいそうです」

「ふーん、そうなんだ」

なんか、よくわからないけど、どこか考えてるような表情で私を見ている。なんか私したかな?
いや、多分してない。

「君、霊感ある?」

「は…?」

「だから、霊感」

「…ない…です」

………。
なっ、なにコイツ。

「そう、んじゃね」

「えっ!?」

男の子はそのまま立ち去ってしまった。

………。



なんなのよあの人は!!