「さーちゃんっ♪一緒に帰ろうよ！」


…最悪だわ。


「お断りしますわ。」

私が断ったというのに、晃人は私のすぐそばまで来て私の手を引いた。憎たらしいほど楽しそうな笑顔で。

「離して。」

「やだぁー！」

「こちらの台詞よ。」

「いいじゃん帰ろうよー！」

晃人の声が大きいから皆がこっちを気にしていて、私は心地が悪くなった。

「もう本当にやめてください。」

私は最大限の力を使い、晃人の手を振り払った。


"紗耶香の男の趣味は悪い"


晃人と居れば、そう思われるかもしれない。私はそれが怖かった。

それに私自身、この男に興味はない。



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