俺は読み終わるとすぐに屋上に向かい、由輝に連絡してメンバーは全員、絶対に4人以上で行動するように伝えてもらった
他の詳しいことは、帰ってから話すと言って電話を切った
屋上を出て、俺はその足で泰志の病室に向かった
入るときにノックをしたが、返事はなく扉を開けると泰志は、包帯やガーゼでより一層怪我の酷さを引き立てていた
『泰志…ごめんな…』
泰志の姿を見て、俺は自分の不甲斐なさに苛立ちを覚えた
ベットの横の椅子に座り、泰志の手を握るとものすごく冷たくて、胸の奥が痛かった
『俺のことに…巻き込んで悪かった…』
手を強く握りながら小さな声で謝ると、泰志の手がピクリと少し動いた
『泰志…?』
俺は気のせいかと思い、名前を呼んでみると手を握り反し、ゆっくり瞳を開け俺を見た…
「海里…か?」
『泰志…よかったっ…』
「ん?どうしたんだよ…?フッ…海里らしくないな…」
泰志は俺の目茶苦茶安心した表情を見て小さく笑っていた
『お前…久しぶりに会った姿がぼろぼろかよ…』
「ハハハ…いや~、学校帰りに待ち伏せされてたみたいでさ~いきなり腹刺されて…そのあとは、数十人にバットとか鉄パイプで袋にされちまったんだ…」
泰志は、力なく笑いながら話していた
「まぢ…だせぇな…」
こんな弱った泰志は、今まで一度も見たことがなかった
