苦笑いしながら言うと、健堵は何かが吹っ切れたような…すっきりとした顔をしていた
「そうでしたか…流石銀瑠ですね…」
『まぁな、一応情報は一通りいつも確認してるからな…名前も顔も知ってたよ…』
「銀瑠には、敵いませんね…白蓮一の情報係に頼んでおいたんですけどね…」
『フッ…』
「白蓮総長の硲 蓮(ハザマ レン)の左腕だということは、既に知っているんですね…?」
『あぁ…だが、いくら調べてもわからないことが一つある。』
「…それは、弟のことですか?」
『あぁ…弟が居るのはわかったんだけど、弟の他の情報が見当たらないのはおかしい…』
「当たり前です…弟は…俺が高一のときに殺されました…」
『っ…』
俺は悲しそうに笑いながら言う健堵を見て、何も出来なかった
「弟の瑠依(ルイ)は、母親の再婚相手の父親に…殺された…」
俺は苦しそうに話す健堵に、何も声もかけることが出来ず、ただ拳を強くにぎりしめるしかなかった
「俺の母親は男遊びが激しくて、いつも家に知らない男連れ込んでた…」
「再婚相手の男も、その中の一人だったんです…再婚する前は優しい人だった…」
「けど…結婚した日から俺達に暴力を振るうようになった…そして、ある日いきなりリビングに俺と瑠依は呼ばれたんです。」
「俺と瑠依がリビングに行くと、テーブルの上に紙があったんです…」
「その紙はっ…」
そこまで一気に言うと…涙を溜め拳をにぎりしめながら苦しそうに顔を歪めていた
