最強で最高だったあいつ

『それから２週間後に、事件は起きた…』


｢事件…ですか？｣


『あぁ、そいつのチームが攻めてきたんだ。』







『んで、乱闘なる前にそこの総長がスパイだったそいつを呼んだんだ。』


『それで、スパイだったってことを総長は俺達に向かって笑いながら言ってきた。』


『けど、俺達銀瑠は最初からわかってたから驚かなくて、むしろ今さらって感じでみんな笑ってたよ。』


『まぁ、そこの総長は俺達が焦るのを考えてたみたいだったけどな～』


『笑いがおさまってから俺は、最初から知ってたことと、そいつはもう俺達の仲間だってことを言った。』



『そしたら、その総長さ、全部の責任をスパイだった奴に被せてメンバーの怒りの矛先を向けたんだ。』


『スパイだった奴は、今まで同じチームだった総長やメンバーの奴に裏切られたうえに、袋にされそうになった。』





『そいつが、元メンバーに殴られた瞬間…銀瑠メンバーは俺が言う前に全員でそいつの周りを囲み守ったんだ。』


『そのあとは、銀瑠の圧勝で総長を捕まえて警察に渡した。』


『全てが終わり、銀瑠メンバーはそいつの元に行き、いつも通り…笑いながら立ち上がるのを手伝ってた。』



『そしたら、そいつは俺達銀瑠メンバーに頭を下げ涙を流してた。』


『その涙は本当に、綺麗な涙だったよ。』


『そいつは、今もそのことを思い出すたびに苦しんでる。』


『だから、そのときの苦しさを１番わかってる奴だ。』


『由輝と健堵は本当にそっくりだな。同じことで悩み…同じことで苦しんでる…』


｢っ…由輝さんにも、そんなことがあったなんて…｣