『あぁ…その理由は2つあるんだ。』
「2つ…ですか?」
『ん、まず1つは、傘下にすると俺達銀瑠が全てのチームを監視したりしなきゃなんないだろ?』
「それを海里が、全て見るのはいくら私達がサポートしてたとしても大変なことですし、もしかしたら見落としがあるかもしれないですからね…。」
『だから、そのチームごとに見落としがないように監視してもらってるんだよ。』
「ですから…そのチームで何かあった場合、まぁ…理由にもよりますが、その分の責任はとってもらいます。」
「責任をとるということは、つまり銀瑠との同盟から外すということですか…?」
『ん~…俺達銀瑠の中での責任をとるっていうのは、その問題をきっちり解決して敗因を見つけて…二度と同じことが起こらないようにするってことだよ。』
「海里は、今まで同盟と組んだチームといろいろありましたけど、外したことはありません。」
「じゃあ、もし…裏切り者とかが居たら、どうするんですか?」
そう言った健堵の瞳の奥は、心なしか…揺れているように見えた
『そんな奴が居たら…俺は絶対に許さない。』
「っ…」
『だけど…それでも絶対にそいつを信じるだろうな…』
「海里は…何故…信じられるんですか?海里を裏切った奴なんですよ…?」
健堵は、冷静を保っているように見えるが俺には苦しそうにしか見えなかった
『健堵…俺は例え裏切られたとしても…一度は信じた仲間だ。そんなことくらいで、俺はそいつを仲間から外さない。』
俺はそんな健堵の瞳を、真っ直ぐに見ながら言った
「海里…煙草がきれたので近くのコンビニに行ってきます。」
由輝は唇を噛み、俯きながら俺に声をかけ、立ち上がった
