最強で最高だったあいつ


男の子は、一瞬ビクッとなったもののギュッと手をまわして泣きなが抱きしめ返してきた

しばらくして、男の子が顔を上げると、口元が切れていた


『血…』

俺は思わずその傷を触ってしまった

「っ…!!!」

すると男の子は、顔を歪め瞳に涙をためた

あっ…ヤベッ…

とりあえず傷洗って消毒しなきゃな…

そう思い俺は宥めようと優しく微笑みながら

『今から、俺んち行くぞ。』

と言ってバイクに向かって歩いて行った


バイクの場所に着き振り返ると男の子は、さっきの所に固まって立っていた





『?早く来い。』

俺が声をかけると、すぐに走ってきた

バイクに跨がり、男の子に後ろに乗るよう言うとオロオロしていた


『もしかして、バイク乗ったことない?』

俺が顔を覗き込み聞くと、コクンと小さく頷いた

『そっか。』

俺はそう言い、男の子の両脇に手を入れ後ろに乗せて上げた


男の子はビックリしていたが、すぐに腰にくっついてきた


あぁ…これは安全運転だな…
と内心俺は苦笑いした


マンションに着き、後ろを振り向くと震えながらいまだに背中にくっついていた


ポンッと頭を優しく撫でて

『着いたぞ。大丈夫か?』

と声をかけるとバッと離れた



それを見小さくて笑いながら、まるで弟が出来たように感じた


俺は一人っ子だったから、兄弟が欲しいといつも思っていたから

バイクから男の子を降ろし、マンションに入って行った