最強で最高だったあいつ

唯は、泣きながらも自分の過去を話し始めた


「お前はずっとただ笑っていればいい、他の感情は必要ない…そう言われて育ったんだ、小学6年までは…」


そこまで言うと、唯は顔を歪め震える腕に力を込め、抱き着いてきた


『大丈夫だ…俺が此処にいる。』


俺は腕に力を、唯を包みながら優しく言った


「っ…うん…それで中学に入った頃、母さんが知らない女達を家に連れてきたんだ…そして俺はその女達に無理矢理…犯されたんだっ…」




『っ…そうだったのか…』


「…それから毎日、知らない女達に犯された…俺は、汚い…汚れてるんだっ…」


『唯…唯は綺麗だ。汚れてなんかいねぇよ。』


「っ…でも…」


『でもも、くそもねぇ。俺が綺麗だと言ったら、誰がなんて言ったって…唯は綺麗なんだ。』

「海里…っ…それから俺、女を見ると怖いんだっ…」


『もう大丈夫だ…もう絶対無理して笑うな、約束だ。』


「ん…っ…わかった…」


『じゃあ、家はどうしてんだ?家には帰ってねぇんだろ?』


「…今は、友達ん所に泊まらせてもらったりしてる。」





『だったら、今から此処に住めばいい…結構一人は寂しいんだ。部屋も余ってるしな。』


苦笑いしながら言うと、唯は涙でぐちゃぐちゃな顔を勢いよく上げた


「いいの…?」


『あぁ、今から此処がお前の家だ…空いてる部屋とか好きに使っていいから。』


そう言って、ベットの横の棚から合鍵(カードキー)を出して渡した


『この部屋のカードキーだ。それはお前のだから…』