最強で最高だったあいつ

俺の上に乗ってたのは唯だった
頬には何故か、薄く泣いた跡があり、少しであったが目が赤くなっていた


「そうだよ~…まだ僕しか起きてないんだ~」


『そうか…唯、お前なんで泣いたんだ?』







「えっ…なんで…?」


『涙の跡が、薄くだけど残ってる…あと、目も少し赤くなってるからな…』


そう瞼と涙の跡を、指でなぞりながら言った


「フフフッ…海里は凄いなぁ~、バレないくらい…ちゃんとしたはずだったんだけどなぁ~」


そう唯は、悲しそうな顔で笑っていた


『唯…無理して笑おうと思うな…泣きたいときは泣け…笑いたいとき笑え…怒りたいときは怒れ…お前は感情を表に出さな過ぎる…』


「っ…そんなことないよ。」

そう言ってまた、作った笑いを見せた


『…作った笑顔見せられても、全然嬉しくねぇんだよ。安心させようと、その笑顔見せてんなら…それは間違いだ…』



「どうしてっ…海里には気づかれたんだろ…笑顔を作るの完璧なはずなのにっ…」


『俺は、…お前みたいに作った笑顔をしている奴をいっぱい見てきた。だがな…そいつらの本物の笑顔は、ほんとに輝いててすげぇ綺麗なんだ…』


「っ…僕は…」


『唯、お前も同じだ。お前が時々見せる本物の笑顔は、ほんとに輝いてる…』


「うっ…海里っ…」


唯は涙を流しながら、まだ寝てている俺の隣に同じように横になって、俺の胸に顔を埋めて泣いていた


そんな弱っている、唯の頭を撫でながら言葉を続ける




『俺は、そのときの唯の本物の笑顔が見たいんだ…お前は、感情を出すのを我慢しすぎだ。』

「うっ…僕は、小さい頃からこの顔のせいで人形のように育てられたんだっ…」