最強で最高だったあいつ

そう苦しそうに笑って話していた


「ハァ…まさか、待ち伏せされてるなんて思ってなかったぜ…」


傷が痛むのか、顔を歪ませながら笑っている




『…お前、もうしゃべんな。』

「フッ…なんだよ、久しぶりに会ったんだ。話したいことが山ほどある。」


『話すのなんか、今じゃなくてもいいだろ…』


「ったく、釣れねぇな…いつもは適当なのにこういうときは、真面目なんだもんな。」



『フッ…いつも適当で悪かったな…』


「ハハ…。…殴られて意識失ったあとさ、俺、なんか闇ん中に一人立ってたんだよな…」

『…なんだよ、いきなり。』


「まぁ、聞けって。…んで俺、一気に不安に襲われて…がむしゃらに走ったりみんなの名前呼んだりしてたんだ…」


俺は悲しそうに話してるのを見て、何も言えなかった




「でさ…もうそんとき諦めかけてたんだ。そしたらさ、右手が熱くなってお前の俺を呼ぶ声が聞こえたんだ…」


『えっ…俺?』


「あぁ、俺それ聞いた瞬間さ…無茶苦茶安心して、声が聞こえる方に走った…」



「そしたらさ、走ってる方向に銀色の光が見えたんだ…俺、そこに思いっきり飛び込んだんだ。んで目開けたら、お前が居て、右手握ってた。」


『っ…なんだよそれ。』


「お前に救われたって、すぐにわかったよ…孤独な暗闇の中にいた俺を、お前は光になってそこから助けてくれたんだ…」


『フッ…意味わかんねぇよ。』


「ハハ…別にわかんなくていいよ…。…まぢありがとな。」




そう言ったときの竜也の表情は、とても穏やかなものだった