最強で最高だったあいつ


神崎は逃げようとしていたが、腰が抜けているため動けないでいた


『…ちょっと此処に目と耳閉じて、おとなしくしててね?』

優しく微笑みながら教室の端に女の子を移動させた



目と耳を閉じたのを確認して、神崎の方に向かった


『おい…よくも無関係な人巻き込んで、好き勝手してくれたなぁ…』


神崎の正面にしゃがみ、微笑みながら目線を合わせて冷たい目で真っ直ぐ見て言うと、そのまま固まって震え出した




『…ここまで好き勝手やったんだ。…それ相当の覚悟出来てんだろ?』


俺はそこまで言うと、思い切り神崎の脇腹を蹴りあげた

ドカッ…

「かはっ…ハァ…ハァ…ハァ…」


『…どうした?ずいぶん蹴り一つで苦しそうじゃん…?』


見下しながら、醒めた声で言うと神崎は意識を無くした



それから女の子の元に戻り、肩に触れるとビクッとなりながら、涙が溜まった目で俺を見上げた

『…大丈夫?…立てるか?』


優しく微笑んで聞くと、安心したように震えはなくなり、首を横にふった




『…ちょっと我慢してな?』


そう言って軽々お姫様抱っこをして立ち上がった

「っ!!!」


女の子は驚いて降りようとしたが、俺が離す気はないと言うと、おとなしくなった



そのまま旧校舎を出ると、絖稀達が俺に気づき走ってきた


「海里っ!!!お前、なん…で…」


そこまで言うと、女の子に視線を移してみんな固まった