最強で最高だったあいつ

「海里さん、どうしたの?」


『ん?あぁ…気が変わった。女の子助けてくるな?』


そう言って軽々フェンスを飛び越えると隼が止めてきた


「嫌だよ!!!一人にしないでよ…」



『隼、大丈夫だ。すぐに絖稀達と戻ってくる。だから隼は、屋上から俺達を見守っててくれ。…いいな?』


優しく頭を撫でながら、言うと素直に頷いてくれた



『じゃ、行ってくる。』


そう言って、屋上から迷いなく飛び降りた

「えっ…!!!海里さんッ!?」


飛び降りるとき、隼の驚いた声が聞こえた気がした

だが今は、そんなことを気にしている余裕はない


神崎が旧校舎に入ってから、少し時間が経ってしまった


綺麗に着地して、すぐに神崎の後を追い旧校舎に入った




旧校舎に入るとき、チラッと絖稀達を見たが神崎のことを気づいている様子はなかった



旧校舎に入り、廊下を走っているとある教室から、女の子の嫌がる声が聞こえた


『此処か…』


ガラッ

扉を開くと中では、制服がボロボロになり、無惨な姿の女の子が神崎に押し倒され泣きながら抵抗していた


それを見て、俺は冷たく鋭い瞳で神崎を見下し低く醒めた声をかけた

『…おい』


「っ…だ、誰だお前!!!」

神崎は、俺の声を聞いただけで腰をぬかし、びびりながらも声を荒げた


俺が無言で神崎に近づくと、後ずさりしながら声を荒げている


神崎が女の子から離れたのを確認して、自分の学ランを脱ぎ女の子にかけた