最強で最高だったあいつ

「…今まで俺は、隼のことを思い行動していたつもりだった…俺は特定の女を作らないから、狙われるとしたら、1番に隼が狙われるという考えにすぐにたどり着いた…」


「隼が傷つくのを、恐れた俺は自分の近くに居たら危ないと考え、冷たい態度をとった…」

そう言葉にした絖稀の表情は、とても苦しそうな悲しい顔をしていた


「なのにっ…逆に隼を傷つけてたなんてっ…」


絖稀は、拳を強く握り締め、弱々しく言った


『…絖稀は、隼を嫌いじゃないんだろ?…絖稀は、隼が大切なんだろ?』




そう諭すように優しく聞くと

「当たり前だッ!!!…大切じゃない訳ないだろッ…」


そうはっきりと、言葉にした


『フッ…だとよ!!!しっかり聞いたか隼!!!』


大きめの声で、言うと隼が陰から涙を流しながら出てきた



「隼ッ!?お前…ずっとあそこに居たのか?」


コクン
「兄さんッ…っ…俺っ…」

「隼…今まで、あんな態度とって悪かった…隼の為と思ったことが、逆に傷つけてたなんて…知らなかった…ほんとに、すまねぇ。」


絖稀がそこまで話すと、隼はさらに涙を流しながら絖稀に抱き着き泣いていた






「フッ…ごめんな。俺、兄貴失格だ…」


泣いている隼を抱きしめ、絖稀がそんなことを呟いた


『…馬鹿じゃねぇの?隼の兄貴は絖稀、お前しか居ないんだ。なに一人で兄貴失格とか、決めつけてんの?』



「だってッ…俺は、さんざん隼を傷つけてきたんだ…いまさら許してくれるなんて思ってない。」


『ハァ…許す許さないを決めんのは、隼自身だろ。どうなんだ?…隼は兄さんを許さないのか?兄貴失格だと思ったか?』


俺が、隼に聞くと