最強で最高だったあいつ

「…あ?なんだよ、いきなり。」

『…いくら、他のチームから狙われるかもしれないからって…突き放すってのは、どうかと思うぞ?』


「っ…!!!」


振り返り、絖稀の瞳を真っ直ぐ見て言った



絖稀がビクッと、体を揺らしたのを見ながら続ける


『…卑怯な手を使うチームに狙われるかもしれない…もし隼が人質にでもなったら、隼のあの性格だ。自分自身かなり責めるだろうな~』


『…けど、それ以前に自分のたった一人の兄さんに、冷たく突き放すような態度とられたら、かなりショックだろうな~』



「…何が言いたい?」


『…実の親に、「産まなきゃ良かった、要らない」…そう言われ…暴力ふるわれ続けたときも…「自分は嫌われているから、これ以上嫌われたくない」…そう兄さんのことを思い、頼ることすら出来なかった。』


「どういう…ことだ?」


『絖稀…お前が隼を守ろうとしてやってきた事は、逆に隼の心を傷つけてたんじゃないか?』





「なんだと…?」


『お前がやってきたのは、全て自己満じゃないか?…隼の気持ちを、少しでも考えたことがあったか…?話しを聞いてあげたことあったか?』



「っ…お前に何がわかる…」


『俺は、わかるなんて一言も言ってない。むしろわかりたくもない。』

「っ!!!その言葉…!!!」


『ハァ…お前らには言葉が少なすぎる。大事なことは、言葉でしっかり伝えろ。…以上独り言でしたッ!!!』


ニカッと笑い絖稀を見ると、とても瞳の奥が揺れていた


そしてぽつりぽつりと話し始めた