最強で最高だったあいつ

そのときの絖稀の表情は、屋上で見た突き放すような感じではなく、弟を愛しそうな、とても綺麗な顔をしていた



あぁ…もしかして…


俺はあることを思い、隼に耳打ちした

コソコソ
『隼、ちょっとお願いがあるんだ。このあと―――――。わかったか?』


コクン

隼は素直に頷き教室を出て行った



隼が出て行ったのを見て、唯が俺のところにきた

「あれ?隼どこ行ったの?」

『あぁ…トイレじゃね?』

「ふ~ん、まぁいいけど。」

『なぁ、絖稀…ちょっと屋上まで、案内してくれね?煙草吸いたくてさ。』

そう煙草を出しながら、絖稀に声をかけた


「あぁ、わかった。」


「俺もついてく~!!!」

要が声をあげた

『あぁ、要達はいいよ、まだ食ってる途中じゃん。歩き食いは、ちょっとな~。』


苦笑いしながら、やんわり断った


「早くしろ、行くぞ。」

『あぁ、今行く。』

廊下から絖稀の声が聞こえた




『なぁ、俺ちょっと一人なりたいからさ、…誰も屋上来ないでくれるか?』

そう言うとみんな「わかった」と答えてくれた


みんなの返事を聞き、教室を出て絖稀と屋上に向かった




屋上につき、俺が煙草を吸い始めると絖稀が屋上から去ろうとした


『フー…なぁ、隼にもっと優しくしてやれよ…』

煙草を吸いながら、話しかけた