最強で最高だったあいつ

その後は、いろいろ校内を案内してもらって、最後に屋上に着いた



屋上は意外に綺麗だった


『んーっ。やっぱり、屋上いいな。』


フェンスの近くに行き、伸びをしながら言うと


「…海里さん、戻りましょう。」

隼は俯きながら、腕を引っ張ってきた


『ん?どうした?』


ガチャ


俺が話しかけると同時に、誰かが屋上に入ってきた



入ってきたそいつは、俺を見て一瞬驚いたが隼の姿を見ると口を開いた


「…隼、此処には来るなと言ったはずだ。」




声をかけられ、隼はビクッと肩を震わせ俺の後ろに隠れながら


「ごめん…兄さん…」

小さな声で呟いた


…兄さん?
あぁ…こいつが隼の兄貴、南谷絖稀か…


そんな呑気なことを思っていると、絖稀が声をかけてきた



「おい、名前は…?」

『あ?普通名前聞くなら、自分から名乗るだろ。』

ヘラッと笑いながら答えた

まぁ実際、名前知ってるけどね…笑


「…絖稀…南谷絖稀だ。」

意外と素直に答えたな…
つっかかって来ると思ったんだけど





『俺は、柳原海里。よろしくな、絖稀。』

そう言って笑った