最強で最高だったあいつ

けど、あまりにも自然に撮っていたので全く自分達が撮られていることに、気がつかなかった



もし…自分達が撮られていると知っていたら、こんなに自然な顔にはならないと思う



ましてや、写真が嫌いな人もいるかもしれない



海里さんは…作った笑顔じゃなく、本来の笑顔を引き出してくれる



その笑顔を忘れないように…誰にも知らせずに…写真を撮っていたのかもしれない



ほんと…


『海里さんには…いつまでも…敵わないな…』




俺は思わず苦笑いを零しながらページをめくっていった





次の日、俺は海里さんの葬儀に来ていた



葬儀に来ている皆は、目が赤くなってたが、誰一人涙を流さずに真っ直ぐ目の前にある写真の中の海里さんを見ていた



今は涙を流してないが、昨日どれだけ泣いていたのかが手に取るようにわかった



海里さんの葬儀には、会場の中に入りきらないくらいの大勢の人達が来ていた



この中に居るどれだけの人達が、海里さんに救われてきたんだろう



どれだけの人達が、海里さんから友情…そして愛情を教えてもらって居たんだろう



海里さん…



貴方はどれだけの人達を救ってきたんですか…?