最強で最高だったあいつ

俺は、一人夕日に背を向け座っている侑の隣に座って同じように煙草を出した



すると、侑の方から小さな…気をつけないと聞き逃してしまいそうなほどの、小さな声が聞こえた



「空…」


『…ん?』


「海里みたい…」


『えっ…?』


「暖かい…色してる…」


『…あぁ…』


俺達は空を見上げて、それ以上何も話さなかった







それから何分か経ち、竜也さん達銀瑠の幹部の人達が夕日を見つめながら静かに話し始めた



「俺達…銀瑠が出来たのは、ちょうど2年前の今日だった…」



「ほんとはさ、今日の白蓮のことケリついたら…お祝いの暴走とパーティーするはずだったんだ…」



「去年もさ…めちゃくちゃデケェ暴走やってさ…みんなすげぇ楽しそうだったし、全員笑ってた…」



「銀瑠メンバーはみんな…昔、めちゃくちゃ荒れてた奴とか、何度も犯罪まがいしてた奴らだった…」



「海里は、そいつら一人一人と真正面から向き合ってた…」



「それまで心から笑えてなかった奴が…海里と関わって少しずつ、ちゃんと笑えるようになったんだ…」