最強で最高だったあいつ


『いつからか…それが苛立ちに変わった。』



『俺…そのいらつきを、喧嘩で発散してた…でも全然胸の中の靄がとれなくてよ…』



『お前に初めて会ったあの日も、靄を消し去りたくて所構わず売られた喧嘩を買ってた…』


俺の声は、静かな病室に心なしか響いてるようだった


『無我夢中で相手を殴ってるとき、海里に声かけられた…』



『…そんとき初めて聞いたはずのお前の声が、俺んなかにすんなり入ってきた。』



『お前に言われたことが、当たってて…悔しくなった…』







『お前の目…昔と全然変わんねぇよな…むかつくくらい真っ直ぐで、吸い込まれそうなくらい綺麗だった…』



『あんとき、俺…また1から始めようって思った…んで大事な仲間作って守るって決めた…』


『お前に、会ってなかったら…あいつらにも出会えなかったかもしれねぇな…』



『上手く言葉じゃ、言い表せねぇけど…ほんとありがとな、感謝してる…』



それから俺は、自分でも驚くくらい喋った


まだまだ話してぇことが、いっぱいあった


もし…海里が聞いてたら驚いてんじゃねぇかな…?


いや、ぜってぇ聞いてるよな


根拠はないけど、今頃…笑って聞いてくれてると思うんだ



海里、お前のことぜってぇ忘れねぇから…


お前のことも…お前がしてきたことも、全部次の奴らに伝えてやるから