「だ、だったら、なによ!?要らないものを要らないって言って、何が悪いのよ!?」
『そうか。隼、帰るぞ。』
俺は隼に優しく笑って言った
「えっ!!!海里さん!?」
『隼、これからは俺が家族だ。そして、俺の家は今から俺と隼、お前の家だ。だから、家に帰るぞ。』
俺が隼の手を引っ張り、家に帰ろうとすると、女が止めてきた
「ま、待ちなさいよ!!!」
『…あ?…んだよ?』
「隼は、私の子よ!?」
『なんだよ、いまさら。』
「隼が居なきゃ、私が主人に怒られてしまうのよ!!!」
『あんたの事情なんて、知らねぇよ。…さんざん隼を苦しめやがって。』
「じ、じゃあ、警察にあなたを誘拐として突き出すわッ!!!」
その瞬間、隼の手の力が強くなった
手を繋いでいない方の手で、隼の頭を優しく撫でた
『…なら、俺はあんたを子供虐待で…警察に突き出す。』
はっきり隼の母親の瞳を見て力強く言った
「なっ!!!、何言ってるの!?」
『…これ。あんたがやったんだろ?』
そう言って、隼の背中を出した
「海里さん!?何故それを…」
隼は泣きそうな顔をした
『ごめんな、隼。風呂場に隼を投げ入れたときに、見えたんだ。すまない。』
隼を正面から抱きしめ、隼の耳元で囁いた
隼はそれを聞いて首を横に振り、泣きながら強く抱きしめ返してきた
俺はそんな隼を、隠しながら
真っ直ぐ隼の母親を見た
すると、隼の母親は膝から崩れ地面に力なく座りこんだ
