最強で最高だったあいつ


全て片付けを終えて、みんなでリビングでゆっくりと思い思いの時間を過ごしていると、由輝の携帯が鳴った


鳴った携帯の色を見て、銀瑠メンバーの顔が険しくなった


そんな俺達の表情を見て、他のメンバーは気がついたのか、それぞれ手を止めて由輝を見つめる俺に視線を送っていた


「何?みんなどうしたの?」


唯一何処のチームにも入って居ない隼は、状況をわからないらしかった


『隼、俺達から離れるなよ。』

俺は、隼に手を差し出して隣に座らせた


多分これから話す内容は、隼にはわからなくて、きっと1人で不安になるから…


隼は大人しく従って、訳がわからないという顔をしながら隣に座った






『…』

由輝に視線を送り、それを見た由輝が族独特の低い声で、静かに携帯に出た


「誰だ…?」


[うわっ…怖いな~。いきなりそんな怖い声で出ないでよ~]


電話の相手は、聞いたことがない声の奴だった


「誰だと聞いてるんだ…」


呑気な相手とは対称的に、由輝は醒めた低い声で答えていた


そんな由輝を初めて見た、絖稀達は酷く驚いた顔をしていた


多分いつも穏やかな由輝が、変わることがわかっていたにしても、ここまで変わるとは思っていなかったんだろう


隼にいたっては、俯いて震えていた


『隼…大丈夫だ。』

安心させるように、引き寄せると震えは止まったが俯いたままだった